媚を売って歓心を買う。ルッキズム批判序説。

あみん「待つわ」1983年

松田聖子赤いスイートピー」1982年

♪かわいいふりしてあの娘、割とやるもんだねと/言われ続けたあの頃、生きるのが辛かった...(あみん)

岡村孝子は掏摸がうまい。「あみん」とはさだの「パンプキン・パイとシナモン・ティー」の喫茶店の名前と公言しているし、カタカナ表記に馴化してしまい同世代人でさえ「Yumingユーミン」のingの現在進行形をつけたがる若者の特性を忘れてしまっている。Amingなんですな。

YAMAHAポプコンでグランプリ賞を取った岡村孝子シンガー・ソングライターなので、阿久悠以前の作詞作曲と歌手が別の歌謡曲のベルトコンベアー式に反旗を翻し、阿久の後継のはっぴいえんど松本隆の代表作にカウンターをあてたのである。ingは私達ですよ。あなたがテレビ桟敷の大衆に飽きられるまでシンガーソングライターとして待ち続けますよ。だがしかしどんなに本を沢山読んでも一人は一人。歌い手(顔)を自在に取り替えられる松本隆のハードウェアの多様性に歯が立つわけがない。

岡村孝子の運命やいかに。