レプリカント・ギャップとアイデンティティ・クライシス

映画「ブレードランナー」1982年

ジークムントの娘のアンナ・フロイトがまとめた心理学の「防衛機制」の一つに「未来予想の機制」がある。不確実な未来というリスクを想定・準備することで補おうとする心のはたらきのこと。

村田沙耶香

コンビニ人間  2016年

記憶が朧だけど、たしか有吉佐和子の50年程前の小説で、映画「ガープの世界」みたいにヒロインが子種だけ貰って、男に愛情は感じないけど自分自身の老後のために子供を大事に育てる話があり「いずれ少子高齢化の時代が来る。」と作中で予言している。その着想の情報ソースは厚生省の人口統計の表を算盤で計算したという書評を読んだ事がある。

文学者は「文脈」を辿り、紡いでいくのが仕事なので「アルゴリズムの大先輩」で未来予想が得意なのも当然だけどね。

生成AIのChat GPT

日記を書く習慣のない人や、文芸的創作の素養や経験の乏しい人が、これを常時使うようになると、現実の存在・人格・能力との間に亀裂が生じる。

ちゃんとした人材を雇用するなら「面接」が主軸になるんじゃないかな。

ブレードランナーレプリカント検査機

レプリカントは偽装しても質問数が多くなるとバレる。仮に有名大学や一流企業に入ることができても、机を並べて研究やビジネスを日々続けていたら、個人も組織もそのギャップ(段差)に耐えられなくなるだろうね。

まあそれでも「門前の小僧習わぬ経を読む」で周囲に揉まれてなるようになっていくのかもしれないけど、辛いかもよ。個人も組織も。偽物の方が多いから、思わぬ勢力や派閥ができるかも。そうすると組織体はコンプライアンスで縛ろうとするでしょう。何のために働くのかわからなくなってくる。それが一番辛いらしい。

お蝶夫人のジレンマ