知恵の生態系

アッサジ/手塚治虫ブッダ

中森明菜「1/2の神話」によると、このアッサジの五体投地のエピソードは、仏典にあるらしい。やなせたかし手塚治虫の筆癖でもあるのだが、戦中戦後派には食物連鎖の富の再分配の思想が強い。

社会学者のマッチも「風の谷のナウシカの思想を極限まで延長すると、食うことと食われることは同じこと。という全体主義に行き着いてしまう。」と言っている。

パンジャ(ジャングル大帝

▶ ただしその献身的な自己犠牲の発想は権力者のプロパガンダに悪用されやすいし、教養の基礎がないと「共食いのタブー」に抵触してしまう。

大岡昇平が「野火」で「殺したが食わなかった。神に栄えあれ!」と山道を駆け抜けるエンディングと矛盾してしまう。

アッサジとゴータマと狼

日経サイエンスより再度引用)

鯨骨生物群集

深海底に沈んだクジラの死骸はヌタウナギ類や深海ザメ,エビやカニに食べられる。しかし骨ばかりになっても,その骨を間接的に栄養源とする各種の貝やゴカイなどが集まり,「鯨骨生物群集」が形成される。

鯨骨生物群集のベースとなるのは鯨骨に豊富に含まれる脂質。この脂質を嫌気性細菌が食べて分解すると硫化水素が発生する。

神宮外苑

坂本龍一

鯨骨生物群集を構成する貝などは体内に化学合成細菌を共生させ,その細菌が硫化水素を摂取して有機物を生み出す。この有機物が各種の貝やゴカイなどのエサとなる。化学合成細菌を宿した深海生物で構成される生物群集は,冷水や温水などの湧出域,熱水噴出孔,沈木などでも見られ,これらの生物群集と鯨骨生物群集との間で生物が行き来している可能性がある。

テセウスの船の同一性のパラドックス

1億年以上前,陸上で恐竜が闊歩していた時代,海には首長竜など大型の海生爬虫類が生息していた。こうした海生爬虫類の死骸にも鯨骨生物群集と同じような生物群集が存在していたらしい。

著者
Crispin T. S. Little
英リーズ大学上級講師(古生物学)。

やなせたかしアンパンマン

▶ 知人の女性ミュージシャンが妊娠した際に、まるでYAMAHA  DX-7の新機種を手にした時のように「私の体にこんな機能が搭載されてるとは思わなかった。」と母乳が出るようになった事に驚いていた。

広島の原爆の図(丸木美術館所蔵)

▶ 女性と男性の体の構造の決定的な違いだが、男性は自分の体の一部、あるいは産出されるものを、直接の栄養源として子供に与えることができない。

だから、女子供が暮らしやすい家や環境を構築するのが「いい男の条件」だった筈なのだが。「色男、金と力はなかりけり」の時代は遠のくばかり。

五条悟