ある晩のこと、精霊たちはとうとう、ワライカワセミのグーグーアガガの笑い声が大気を震わすのを耳にした。「こういう騒がしい音が欲しかったんだ」と精霊たちが言った。
そこで精霊たちはグーグーアガガにこう命じた。「明けの明星が薄れて、夜が明けるころ、毎朝必ずひどく大きな声で笑い、まだ眠っている者を目覚めさせよ!」もしワライカワセミが言うことを聞かない場合は、これからはもう薪に火をつけないようにしよう。そうなれば大地はまた、薄暗がりの世界に逆戻りしてしまうだろう。
ところがグーグーアガガは、世界のために、明かりを守り抜いた。
「太陽はどのように造られたのか」
(ロバート・ローラー「アボリジニの世界」長尾力訳、青土社、2003年)
▶ 中沢新一「神の発明」より抜粋
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