漫画「山崎銀次郎」(本宮ひろ志)
北海道の大牧場の御曹司の「鷹の目を持つ男:伊達」が女房探しの旅の途中で銀次郎のフィアンセの高子を見初めて、同時に銀次郎に自分と同類のバイブレーションを感じて、恋愛抜きで決闘をする「硬派銀次郎」の回は秀逸。
互いに全力を出し切って河原に大の字で寝転がり、伊達の台詞
「なあ銀次郎。俺と一緒に北海道にこないか。そうすりゃ人生バラ色だぜ。」
「わりいな。俺、大工になりてえんだ。死んだ父ちゃんも大工だったからな。」
「そうか。わかった。」
当時の大工は家を一軒ずつ建てたり修繕する仕事で、規模の経済という感じではなかった。
それでも施主が喜んだり家を建てる過程でアイデアを語り合ったり、仕事の手応えややりがいは身近にあるし、誇りを持てる人生の営みのひとつでしょう。
そういった自営業や中小企業の仕事で胸を張れなくなった背景には、経済システムだけではなく、文化的な要素も強くあると思うんだけどね。
♪STYX「CRYSTAL BALL」