流通のダイナミックレンジ

倉田まり子How!ワンダフル」1979年

蒸気機関車と線路による産業革命と、インターネット革命、日本列島改造論等に共通するのは「流通形態のメタモルフォーゼ」である。

KISSやリッキー・リー・ジョーンズがやってきた70年代の日本の流通産業の構造は、大店法の関係で「デパートの屋上」から「大型ショッピングセンター」に移行する過渡期でもあったが、「商店街」もまだかろうじて健在だった。「看板娘」に会いたくてタバコ屋の自販機を使わなかったり、平凡パンチを読みたくて凡庸な味のラーメン屋に通ったり。

謡曲にもいくつかの商店街やラインがあって、個人単位のアイドルではあるけれど心の地産地消の商圏があった。今の大人数のアイドルグループも、国鉄の民営化による「駅ちか」や「スーパーマーケット」の流れが投影された結果なのである。

マクロ経済とミクロ経済の竈だね。

映画「シェルタリング・スカイ

映画「モロッコ

映画館で観る砂漠の映画が気持ちがいいのは、地平線を見渡して、地球というワンルームマンションで暮らしている気分になれること。

シルクロードをテーマにした久保田早紀の「異邦人」の  ♪市場へ行く人の波に/体を預け/石畳の街角をゆらゆらと漂う...

ネットにはこの感覚はないね。