▶ 本来の意味でのポトラッチの概念は、挑発によって行われ、対抗行為を求める競合型の消費にこそ差し向けられるべきである。そしてもっと明確に言えばこの概念は、古風な(アルカイックな)社会にとっての、交換と変わりのない諸形態にこそ差し向けられるべきなのだ。
知っておくべき重要なことは、交換はその起源において、人間の目的に直接的に従属していたということである。
もちろん生産様式の進歩に伴って交換も発展したのだが、しかしこの交換の発展は、目的への従属が、直接的であることををやめてしまった時点でやっと始まったのである。
生産の役割の原則は、生産品が損失から免れることを、せめても一時的に免れることを求めている。
商業経済において交換過程は、獲得の意味を持っている。
財産はもう賭博台の上に置かれることはなく、比較的安定したものになる。
ひとえにこの安定性が確保されて、膨大な損失に巻き込まれる可能性がもはや無くなった時にやっと、財産は、非生産的消費の体制に従属するようになったのだ。
ポトラッチの基本的構成要素は、この新たな状況においては、もはやかつてのような、直接的に競合的では無い形態の下で見出されることになった。
消費は、依然として、地位の獲得と維持に向けられるのだが、しかし別の人に地位を失わせるという目的はもう持たなくなった。
こうした緩和策がどのようなものであれ、誇示的な損失は、世界中で富に結びつけられている。富の究極の役割として結びつけられている。
社会的地位は...
▶ ジョルジュ・バタイユ「呪われた部分/全般経済学試論/蕩尽」より引用。
映画「トパーズ」