アニムス。女子高生の反転術式/恋と狂気

女子高生

▶ 最近の女子高生は「百年の恋も冷める」現象のことを「かえる化する」と言うらしい。

「アバタもエクボ」というけど、恋をすると誰もが谷川俊太郎になれる訳ではないので「正気に戻る」という含意もあるのだろう。

アーキタイプ(元型)、原典はこれかな。

かえるの王様

Wikipediaより引用)

「かえるの王さま(Der Froschkönig oder der eiserne Heinrich、KHM1)」はグリム童話のひとつ。

▶ 日本では、副題まで含めたかえるの王さま、あるいは鉄のハインリヒ、児童書などではかえるの王子(様)、かえると金のまりとも題されている。

・あらすじ
ある国の王女が、森の泉に金の鞠を落としてしまう。

そこへカエルが「自分を王女様のお友達にしてくれて、隣に座って同じ皿から食事を取って、あなたのベッドで寝かせてくれるのなら、拾ってきてあげよう」と申し出る。

王女は条件をのむが鞠を取り戻せた途端、カエルを置き去りにして走って城へ帰ってしまう。

翌日王女が家族と夕食を取っていると、カエルが城に現れて王女に約束を守るように要求する。 
王は王女から事情を訊き、約束を守るように命じる。王女が嫌々ながらもカエルと一緒に夕食をとった後、カエルは王女のベッドでの同衾を要求する。

王女は恐怖と嫌悪から泣きながら拒むが、王の命令によって寝室へ行くこととなる。

王女は寝室の隅にカエルを置いて一人で寝てしまおうとするが、カエルは「自分をベッドに上げてください、さもないと王に言いつける」と抗議する。

王女は腹を立て、罵りながらカエルを壁に叩きつけようとする。

するとカエルの魔法が解け、立派な王子の姿に戻る。これまでの無礼を詫びた王の求婚を受け、間もなく二人は仲良くなり、婚約をする。

しばらくして、王子の国から忠実な家来のハインリヒが馬車で迎えにやってくる。

ハインリヒは王子がカエルになってしまった折、悲しみに胸が張り裂けそうだったので胸に3本の鉄の帯を巻き付けていたが、無事人に戻ることのできた王子と花嫁と共に祖国に戻る道中、鉄帯は喜びによって1本ずつ大きな音をたてて弾けて外れていく。

・参考文献

吉原高志、吉原素子, 1993年.『グリム〈初版〉を読む』 白水社 (底本:グリム『子供と家庭のメルヒェン集』初版 1812)pp.28-37.

・解説

「鉄の帯が外れる」とはドイツ語のことわざの「Mir fällt ein Stein vom Herzen (直訳:心の石が落ちる、意味:肩の荷が下りる)」に掛けた表現で、胴体から鉄の鎧が外れて行く描写は心から固い石がはがれ落ちてほっとすると言う表現を連想させる。

おとぎ話の特徴のひとつに、人物の心理描写を避け、その代わりとして表象的な物体でその心理を表現する慣習がある。ハインリヒの鉄のたがは悲しみの表象であり、王も王女もハインリヒも全員が無事に幸せになったという結末を象徴する締め言葉である。

また、カエルを壁に叩きつけるのではなくカエルにキスをすることで魔法が解けるという版も存在する。

ベルサイユのばら

▶ 女性の「アニムス(女性の内部の男性性)」の代表事例。

(男性の内部の女性性は、アニマ)

ふしぎなメルモ

洗礼の伏黒甚爾と五条悟