音の重さと鼎の軽重

村上秀一

日本のほぼあらゆる音楽ジャンルで叩いたポンタは「歌うドラマー」と言われているのが何故かは秘密だが、ビニー・カリュータの歌い方と比較すると少しわかる。

水が高い所から低い所に流れるように、重力というものは地面に向かって働いているので、近藤の球が重くてイガラシの球が軽い(キャプテン)というのは、ボールの回転数やバットに対してかかる圧力だけではないんだよね。パソコンもそうだけど。

Eve「アヴァン」

この曲のイントロがロカビリックで、期待値のボルデージが上がるのは、バスドラムを倍で刻んでるからなんだけど、Eveの持ち味であるサビへのブリッジのシンコペーションが甘いから、歌の潜在力を100%引き出せていない。

具体的には

♪運命を一点に/もう迷わない/呪いにう/まーれーし核心を...

▶ ここ。

フロアタムに廻していくなり工夫をすれば、もっと劇的になるんだけどね。血が飛び散ったりしなくても。

僕のデビルイヤーに「廻廻奇譚」でかかったのは

極楽往生現実蹴って凪いでドチャーカチャカチャララチャッチャー...

の部分で、アニメ映像でパンダが遠景でハードルを越えて走るのが気に入ったからなんだけど、カッザビ(PINK)の片鱗を感じたね。シンコペーションの。

自民党の「背骨勉強会」ではそういう事を教えてるのだろうか。

「多くは覚悟ではなく、愚鈍と慣れでそれに耐える。」(ラ・ロシェフコー