サイボーグ009「誰がために」
▶ 例えば、日本と中国とアメリカと韓国とオーストラリアとロシアの「保守派」が、
同時に「激突・蕩尽」して守るものとは何だろう。
少なくとも各国の経済やインフラは壊滅状態になるんじゃないかな。
ジェフリー・ヒントン(AI業界の重鎮)
呪霊暴走に呪具の日本刀で対応する乙骨憂太/芥見下々「呪術廻戦」
大泉りか「ホス狂い」
(159頁より引用)
液晶には在籍しているホストの宣伝写真がずらりと並んでいる。男メニューと呼ばれるもので、ここから話してみたいホストを三人選ぶことができるという。
結衣はさっそくタブレットをタップして「この人は顔がいい」「ヤバ。こいつもうすぐ誕生日!」などと楽しそうに、選び始めた。それに倣ってタブレットを覗き込んでみたが、どういう基準で選べばいいかさっぱりわからない。
それを結衣に伝えたところ、不思議そうに「顔じゃない?」と返ってきたが、メイクしていたり加工がかかっているせいで、選びにくい。
介護現場のスタッフ
女性8割の介護業界の現場の昼休み休憩は、「イケメンの話」や「アニメは声優で選ばなきゃだめよ」とか「スノーマンはグループとしてよりも、スノーマンの誰の推しなのかか重要なんですよね」等の雑談(おしゃべり)をして過ごすのだが、今回の自民党総裁選の話題で僕が
ホーク小林(自民党の若手)の話題を出したら
「あの人は顔見せでしょう。いつかは首相になるんだろうけど、今回は関係ないんじゃない?」と言っていた。
こいつは東大法学部卒で財務官僚上がりなので、学歴と賃金低めの介護女子の間では、
「コンプレックスの対象」「手の届かない存在だから興味がない」という複雑な心理も垣間見えた。
その時点で、永田町と霞が関の「どうだ、すごいだろう弓枝」(たがみよしひさ「化石の記憶」)の意思の疎通のギャップがある事に気付いてないんじゃないかな。エリートさんや世襲さん達は。
湯浅誠(東大新聞オンラインより引用)
弱者というのは、弱者ゆえにアンテナが鋭い。
「人の顔色をうかがう」という蔑視語を反転翻訳すれば「相手の細かな仕草までアセスメントする」という事である。
(大泉りか「ホス狂い」161頁より引用②)
まず、結衣は、他店に担当がいる事を伝え、今日は担当の店が休みであること。万が一、担当に呼ばれてもいないのに歌舞伎町を歩いているところを見られたら、殴られるということ。そして昨晩は、担当の店で高額を使ったことを告げた。
途端、ホスト達が色めき立った。先程の外販とまったく同じ反応だ。
以降、来るホスト、来るホスト、とにかく積極的な態勢で結衣をチヤホヤする。
結衣は満足そうに「この店、当たりかも。みんなちゃんとしゃべれるし」とわたしに耳打ちした。
レベッカ「ウェラム・ボートクラブ」
▶ 大学の音楽仲間に、卒業後に新宿の某ホストクラブのNo.1ホストになった知人がいるが、僕が転職2回目でラジオ局に中途入社した時に、当時普及しかけの携帯電話に突然電話をかけてきた事がある。
「お、お前、なんでこの電話番号知ってるんだよ!」
「フフフ。蛇の道は蛇だよ。よ。久しぶり。ラジオ局に入ったらしいね。すごいじゃん。」
アマチュアバンドマンにとっては、選曲権を持っていて、知名度という財を高めてくれる「メディア」は登竜門であり、憧れの対象でもある。
「俺さあ。最近はカローラに乗りたくてね。普通のクルマ。牛丼食ったりさ。クルマ余ってるから1台やろうか?」
「いらねえよ。維持費が高いだろう」
「まあ冗談だよ。頑張れよ。」
あっけなく電話は切れた。すごい情報力と物怖じしない積極性で、会話に嫌味もなかった。
野球に限らず、技術というものは教わってすぐに模倣できるほど単純ではない。
だが「別の次元のナマの存在」にリアルに接する事で、意識障壁を抜けたり苦手意識を克服する鍵を手に入れることができる場合もある。
バレエのレッスン