風に吹かれて

映画「ローマの休日

ということでいい機会だし暇だったので北北西に進路を取って都電に乗り、早稲田大学国際文学館村上春樹ライブラリーに足を運んだ。人が並んでいる。へえ...すげえな。企画大成功じゃんと思っていたら、モッズの森山のような激しい時雨に襲われて真向かいにある演劇博物館に駆け込んで雨やどりした。

ギシギシ...ほう。ここの床板は天然の鶯張りか。いい音。踏みしめて行くと己の体に重力が作用していると感じる。坪内逍遥のフィルムはともかくとして、満喫した。「不条理」とは「原因と結果が合致しない事」と長年の疑問が氷解するパネルもあった。辞書を読めばよかった。偏差値の差を感じたが、演劇のパイプラインがるので劣等感はなかった。

村上春樹ライブラリーの階段書棚に手塚治虫の「火の鳥」があったので座り込んで読み耽ってしまった。そしてふらふら歩いていると「ノルウェイの森」の上下巻を見つけた。

タイプとして春樹さんは「ジャズと小説」で僕は「ファンクと詩」なのでアプローチがまったく違うのだけど、タイトルの「ノルウェイの森からしビートルズ愛とジャズ好きのリビドーが横溢しているので「レイコさんとセックスしないと引っ込みがつかない」状態だったのかもしれない。以前このブログでNODA MAPと第七病棟を引用して「作品を大事にしすぎると駄目になる」と経験談を書いたけど、WBCで東北出身の大谷翔平が「憧れてはいけない。ビートルズに勝とうと思ったら」と言ってたので、ポケットからシャープペンシルを出して「ここからこう、バッサリ」サッスーンカットの校閲を書き込んできた。

もちろん嘘ですからね。頭の中で生成しただけです。

♪She told me she worked 
in the morning and started to laugh
I told her I didn’t
And crawled off to sleep in the bath
And when I awoke I was alone

「ねえレイコさん。ここの歌詞、どうやって訳せばいいのかな。」

「私にわかるわけないじゃない。だからギターを弾いてるんだから。」

「そうよね。それでいいのよね。」

オードリー・ヘプバーン