スタインベックの蝶

筒井康隆「七瀬ふたたび」

天才とは、蝶を追っていつのまにか山頂に登っている少年である。

                  (ジョン・スタインベック

「面白い」ということであれば筒井康隆のドタバタSFが最強。

江戸川乱歩

この人のお弟子さんだったんでしょ。そりゃ面白いよ。

▶高尾山の山頂ならともかく、富士山やチョモランマの山頂まで蝶々が上昇できるとは思わないので、スタインベックが言う「少年が追いかけている蝶」とは「読みかけで机の上に広げたまま伏せた本(文庫本)」のことなんじゃないかな。

僕は多読家ではないので「山」で連想する作家といえば新田次郎か或いは

トーマス・マン

スタインベックは、自分のことではなくて例えばトーマス・マンの「魔の山」を読みながら「ゲゲッ!こいつもしかしてサイキックソルジャーなんじゃないの!」と思ったのに違いない。

ドラえもん「踊る蝶」

▶誰だって作品の作りたては「もしかして自分は天才なんじゃないか」と思うことは「普通のこと」でいいと思うんだよね。興奮が冷めて読み返したり、ちょっと批判されただけで真逆のベクトルで自己嫌悪に陥ったりするんだから。

ステイン・アライブ(BEE GEES)で踊るジョン・トラボルタ

面白いと思うものさえ見つかれば、どうにかなるんじゃないかな。

どんなことでもさ。