観自在菩薩行深般若波羅蜜多時照見五蘊皆空度一切苦厄

関口 さとみ
本作のもう一人のヒロイン。完治、三上の高校時代の同級生。高校時代はバレー部員。

優等生気質で誰に対しても優しい。その性格故に完治、三上からそれぞれ片思いを寄せられる。実家がラブホテルを経営していることでからかいの対象となるが、それをさりげなく庇っていた完治に好意を持っていた。

だが、潔癖で身持ちの堅い性格であり、完治がアズサとキスをしたことを気にしていた。自身の秘密を知らない土地で生きる決意をして上京。保育士として就職した東京で、完治、三上と再会する。当初は完治に心惹かれていたが、実は三上に対して独占欲に近い愛情を持っていたことがわかり、三上に纏わる事情が発覚してからは三上への思いを自覚し、完治にフラれたこともあって三上と同棲するようになる。だが幸福は長く続かず、さとみの愛に安心しきった三上に何度も裏切られ、「馬鹿になる」と決めて寄り添っていた。

だが、三上が尚子に失恋したことを機に破局した。三上との交際と別離は潔癖だった彼女を一回り大きく成長させた。完治とは互いに良き相談相手となっていたが、リカとの関係に憔悴しきった完治の姿を見て、改めて完治の魅力と思慕を確認し、リカと対決して完治を奪い取る決意を固める。

三上と完治を靴に喩え、三上は「誰もが振り返る自慢の靴」だが、完治は「履き心地が良すぎて履いていることを忘れてしまう」と評している。高校時代は学級委員だったが芯の強い性格故に煙たがられていた。

田々井アズサの突然の自殺で、実家のホテルから男性と出てきたことを教師に告げ口したと誤解から憎まれたまま死なれたことにショックを受けつつ、「死者に振り回されるべきではない」と反論し、クラスメイトたちの不評を買った。完治との順調な交際を帰国したリカにかき乱されるが、完治を信じて待ち、リカと別れた完治と結婚する。