台風と介護が結び直す家族の縁

藤子不二雄ドラえもん/台風のフー子」

台風10号「サンサン」2024年8月

病気の急性増悪による救急搬送の例

▶ 「災難と 介護は突然やってくる。」というけれど。僕自身今の自分の年齢とほぼ同年齢の父親の死亡と母親の要介護という出来事で、生活状況と運命が激変した経験があるのでよくわかる。本当は芸能人になりたかったのだが、やむにやまれずサラリーマンになった。

核家族化のイメージ図

世帯人員別に見た世帯数の割合の推移

今の日本では①「他人に迷惑をかけたくない」②「子どもの世話にはなりたくない」という意識が、まるで五常仁義礼智信)の教えであるかのように一般化しているが、国際世論から見ると、①を正義感として最優先して論破に利用するのは日本人だけらしい。

迷惑という言葉のダイナミックレンジにもよるけどね。

施 利平「戦後日本の親族関係」

▶ この本はまだ読んでないが、ネット検索でタイトルが鍵刺激になったので引用。

家族の風景のイメージ図

生まれた時から一緒に暮らしている兄弟姉妹や家族も、子供が成長して別々の学校に通い、別々の会社に勤めてそれぞれが独立していくと、顔を合わせる機会が激減して、盆暮れ正月や年賀状や暑中見舞いでさえ出さないような疎遠な関係になっていくのは珍しいことではない。

その兄弟姉妹と家族が、緊急スクランブルで再度集まって、「どうしよう。なんとかしなきゃ。」と縁と役割を結びなおすのが「介護という諸刃の剣の機会」なんだけど、ケアマネジャーやケアスタッフの立ち回りでバランスの良い介護体制を作れれば、家族親族のよりが戻ることもある。

ドラえもん「台風のフー子」で、大型台風で身を寄せ合って怯える野比家の家族と、スクランブルで飛び出すフー子の場面

車座になって行うサービス担当者会議のイメージ図

誰かに頼りにされるというのは人間の大きなやり甲斐の一つ。

絶望感漂う要介護家庭に訪問して

「大丈夫ですよ。なんとかなりますよ。スタッフみんなベテランですから」と紹介して、空気がやわらいでいくのは結構いいものですよ。自信と責任感が出てきます。

ケアスタッフのイメージ図

上手く行かないことも多いけど、それでも「不幸と戦った」という経験が人を育てると思います。

ドラえもんの「台風のフー子」

だから「コンプラコンプラ」と無機質に脅されると「人間とコンプラとどっちが大事なんですか」と噛みつくのも損なので、みんな燃え尽き症候群で辞めちゃうんだけどね。

なとり「金木犀