五常の天秤

高倉健「唐獅子牡丹」

♪義理と人情を秤にかけりゃ/義理が重たい男の世界

この「義理」というのは五常仁義礼智信)の義。訓読みで「よし」、音読みで正義のギであるように正しい事の道理、ということかな。

天秤の軽い方の「人情」が何故に五常に入ってないかは渋沢栄一に聞いてみないとわからないけど、これがヒントになるかな。

チリアーノ「私だけの十字架」

随分昔の話だけど、警察官の交通課のOBの人と雑談していて、この曲が主題歌だったドラマ「特捜最前線」で、「犯人にどんな悲しい情状酌量系の事情があっても手錠をガチャリとかけなければならないのが警察官なんだと、このドラマに教わって警察官を目指すようになった。」という身の上話は面白かったな。

人情より義理が重たい仕事という事かな。

手土産の定番「白い恋人」(北海道)

(大泉りか「ホス狂い」より引用 ①)

ホストクラブに通うことが、働いて稼ぐモチベーションとなる。

これはサヤカのケースだけではない。取材を通して話を聞いた女性たちの多くが「担当に使うという目的があるからこそ働ける/働く気が起こる」と語っていた。

ホスト側もそれをわかっていて、例えば「来月、シャンパンタワーしてほしい」「今月はナンバーに入りたい」といった具合に目標を与える。

その目標を達成するために、ホス狂いは「鬼出勤」と呼ばれる、ほぼ休みなしのシフトで働いたり、地方都市の風俗店出稼ぎに赴いて、どうにかして金を作るのだ。

葬送のフリーレンのコスプレ

(大泉りか「ホス狂い」より引用 ②)

途端、ホストたちが色めき立った。先ほどの外販とまったく同じ反応だ。以降、来るホスト、来るホスト、とにかく積極的な態勢で結衣をとにかくチヤホヤする。

結衣は満足そうに「この店、当たりかも。みんなちゃんとしゃべれるし」とわたしに耳打ちしたあとに「さっき、ちょっと匂わせたんだけどね」と続けて囁いた。

客からもらったという地方の銘菓の紙袋は、結衣が風俗業あるいは水商売で働く女性であることを連想させる。他店の担当に、日常的に高額を使っている様子もある。そして、相当に離したくない存在とされていることも。

入店からわずか5分で結衣は、あくまでもさりげなく、ホス狂いの太客であることを店側に知らしめ、その結果、ホストたちのやる気を煽ることに成功したのだった。

漫画「葬送のフリーレン」