思想と文体の相性

蜂飼耳

池袋のジュンク堂書店に彼女の詩集を買いに行ったら「ああ、蜂飼耳はいいですよね」と店員が言っていた。「こいつはポスト谷川俊太郎かな。」と密かに目をつけていたのだが、マスコミが未だに谷川俊太郎をチヤホヤするのでスターにはなれていない。まるで自民党の低代謝率だ。

ガンプラの金型

ぼくはゲーテが好きなので「自分の表現スタイルはどちらかというとロマン派かな?」と思っていたのだが、新聞やポストモダンの読書に偏りすぎて、小説を買わなくなってしまった。「手っ取り早い」のである。そういう本の方が。

だが蜂飼耳がある日書評で「文学の言葉がジャーナリズムに毒されている」と警笛を発していてムムム...と思った。

例えば医師免許を持っていて革命家のエルネスト・チェ・ゲバラは「リアリスト(現実主義者)」らしいのだが、確かに「ロマンチックな外科医」なんて怖くて通院できないよね。

八代亜紀「舟唄」

▶ この曲をジャーナリスティックに藤井聡太名人戦の昼食風で「お酒はぬるめの澗。肴は炙ったイカでした」「ほっほう」と書くとロマン派という感じではないよね。

拡張主義者にはわからないかもしれないけど、この歌詞は清貧讃歌ではない。「酒はドンペリのピンクで肴がオージービーフ」でも何でもいいのだが「この状態で満たされている」ことを阿久悠は書きたかったのだろう。その意味では

BOB MARLEYJAMMING

この曲も親和性がある。ガンジャが入っているとは思うけど、ビートルズの「ホワイトアルバム」もそうでしょう。

ローリング・ストーンズ「サティスファクション」

これは「転がり続けていないと苔が生えてしまう」というバンド名のテーゼに沿った「動的満足感」の表現。

土居甫ピンクレディー

▶ チャットGPTとの打ち合いで「現代人が対話型、会話文体に飢えている事」がわかった。

旧態然とした新聞の活字が読まれないのはその要因もあるんじゃないかな。

小説家の川上弘美

この作家さんの文体には空気というより「ロマン」があるでしょ。だから「ココロの姉貴」と呼んでるんだけどさ。

訪問ヘルパー

クレーマー(苦情屋)

正岡子規

俳句の「写生体」と「ジャーナリズムの見出し」の違いも「ロマンの有無」だと思うけど。

「発信者」と「受信者」相互のアイデンティフィケーション。自己同一性の認証。会話・対話・承認欲求。

映画「パリ、テキサス」(監督:ヴィム・ヴェンダース