依存症を治す/生成AIとハームリダクションの考察(サナギ1)(@PC)

JR中央線総武線東京メトロ丸の内線の立体交差点(産経フォトより引用)

さだまさし檸檬」(原案は梶井基次郎)で有名なこの界隈。中央線の車体の色がなぜ赤いのかを知ってるだろうか。線路を引くのは土地の買収があるので大中小の地主から「あちらを立てればこちらが立たず」のプレッシャーが当時の国鉄の設計部の職員に常にのしかかり、半分ブチ切れながら筆箱から赤ペンを取り出して、定規でビーーと直線を引き「これが一番経費が安い。税金で作るんだから」と「大義名分」を立てたことに由来すると聞いたことがある。

ワーカホリック(仕事中毒)も依存症の一種だと思うけど、チャットGPTなど生成AIで本当に職場環境がよくなるのかと考えてみた。

IBMが開発したパンチカードシステム。生成AIの大規模言語モデルも、この釣った上澄みだけを表示する訳だけど、①煩雑な情報が自動で取捨択一されて、ヒトが生成する場合のストレスが減少する。利点があるが②国鉄職員が手すりにした大義名分に当たるものが「頻度他」でいいのかということですね。

人間や作家が生成した文章には「シニフィエ・呪力」として、落ちこぼれた下部構造も含まれるものだけど、構造的にコンピューターにはそれができない。

▶使い方を間違えなければ①の「ストレス軽減用」で役に立つと思うけどね。

小林武彦「なぜヒトだけが老いるのか」

要約すると「人間は老いると、血気盛んな若者のような向上心や競争心が減って、利他的になるので、群れを作る社会的生物として生き残るのに有利だった」ということ。

つまり他人に迷惑をかけずに「健康寿命」を延ばすためのアンチエイジングは生物として理に適っているが、機械のように不老長寿で幅を利かせるのはいかがなものかということかな。

そこで思い出したのが、斎藤環のこの本の書評

「ハームリダクションとは何か」(編著:松本俊彦、古藤吾郎、上岡陽江

(以下は斎藤環の書評の要約)

いま、依存症支援の最前線は、「ハームリダクション」である。
これは「違法であるかどうかにかかわらず、精神作用性のある
ドラッグについて、必ずしもその使用量は減ることがなくとも、
その使用により生じる健康・社会・経済上の悪影響を減少させ
ることを主たる目的とする政策、プログラム、そして実践」を
指す概念である。薬物を禁止するのではなく、付き合い方を変
えるのである。

「ダメ、ゼッタイ」の厳罰主義は、依存症患者を社会から排除
し孤立させてしまう。ハームリダクションは、回復のための選
択肢と依存先を増やし、コミュニティに依存症患者を包摂し、
彼らとのつながりと関わりを維持することが依存症治療に有効
であるという科学的根拠に基づいている。しかし、この思考が
日本の社会に定着するためには、単なる政策転換では不十分だ
ろう。まず私たち自身が、依存症患者に対する偏見と、排除の
思想を脱却しなければならない。

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▶これはアルコールや薬物中毒に関する記述だから「ハード」だけど、オープンAI社のサム・アルトマンが「目の瞳こうの登録をして人間とAIの区別がつくようにして、AIによって雇用を失った人のために、地域通貨ベーシックインカムを検討している」というニュースを読むと「なんか違うんじゃないの?」と感じませんか。

呪力を感じない。「手切れ金」の発想みたいでね。

三面等価の原則を知ってるのだろうか。

▶とりあえず具体的な事としては、携帯端末からブログを更新しないようにしようと思う。「入浴は風呂場で。排泄はトイレで」という根強いはずの生活習慣が、移動体通信網の普及で「場所・居場所の感覚。見当識」が希薄になっているからね。

まあ、ゆっくり考えよう。