面影ラッキーホール「必ず同じところで」
良心的な科学者はみな「知れば知る程わからない事が増えていく」という。それはロゴス(言葉や論理)そのものが抱えている「唯識論」の不完全性で、技術や権力を使って現実化していくと地獄になる。
地獄とは読んで字の如く「地の獄に埋められて身動きが取れない事」
映画「戦場のメリークリスマス」で顔だけ晒されて身体を埋められる刑にされたデヴィッド・ボウイ
▶ 人が「寝たきり老人」になりたくないと怖れるのはこういう事でしょう。しかも意識がはっきりして、麻痺もなく痛みを感じながら。
日本列島の海流
地球の海流
上記の面影ラッキーホールの♪必ず同じところでつまずいてしまう...という歌詞は、「そのつまずく場所が何処なのか」が指定されていないので、形式的な第三者委員会を設置して抜本的な改革を提唱しても、無駄ではないが根治はできない。モグラ叩きゲームのように、つまずく場所が「同じところ」に変異して転倒する。
▶ 強いて言うなら「生活習慣病」や「性格習慣病(造語)」が近いが、体質改善や依存症からの脱却は容易ではない。
認知症の原因物質とされるアミロイドβに作用する新薬が承認されたが、お薬カレンダーひとつ取っても、その新薬で認知症問題が一掃する訳ではない。
▶ 例えば生成AIを使った就職や転職のマッチングアプリがあるとして、希望や条件をパソコンに入力する際に
日本の糖尿病患者と予備軍の推移
世界の糖尿病人口の推計と推移
アミロイドβタンパク質の蓄積すると認知症になりやすいのだが、割りと早いうちから蓄積がじわじわ始まるらしい。
つまり、肥満体で血糖値が高い、糖尿病の人は認知症になりやすく、入社させても何をしでかすかわからない、という風評が広がれば、マッチングアプリに身長体重や病気などの個人情報を入力しなくなるか、データルッキズムで嘘を入力するかもしれない。チャットGPTで加工して。入社時には健康診断書を出すとしても、面接官は医師免許を持っていないので、各種病気が業務にどの程度影響するかもわからないし、医師だって健康診断書の提出先の部署ごとの業務内容まで把握できない。
▶ 医療データが読めないので面倒だからAIに判断してもらおうということになると、AIのアルゴリズムの指向性がブラックボックスでわからない。
現役のカズ
これらはお国柄の価値観の違いやケースバイケースの交渉やアセスメントにもよるけれど、本来可変的でデリケートな課題なんだよね。
▶ 介護業界に限っても、経験が浅い頃は地域の要で「瀬取り系」である地域包括支援センターで働くのが、安定していて出世感があると思っていたが、介護プランと予防プランの書式の違いや膨大な扱い件数、困難事例の砦なので投げ出せないとか、行政への奉仕の度合いとか、「これは身体が持たない。数万円安くても、普通のケアマネの方がいい」と思うようになった。
船のスクリューの仕組み
▶ 動的平衡のピュシス(自然)の生態系と人間社会で「同じところでつまずかない」ようにするには、自ら動いて舵を切りながら、望む方向の潮流と都合をつけていくしかない。
潮流。
地盤も風向きも感情も変化する。
▶ だから女房でも主治医でもなく、担当でも人間でもない人工知能AIの言う事を鵜呑みにすると、「そういう潮流にはまって」身動きが取れなくなると僕は思うけどね。
映画「タイタニック」の象徴的なシーン
タワーリング・インフェルノと比較すると更に興味深い。