介護の生態系領域/日本独自のイノベーション

サイドテーブル(食事用)

サイドレール付介護用ベッドとポータブルトイレ(排泄用)

高齢者はある日突然転倒骨折したり病気の急性増悪で入退院して歩けなくなったりするので、ケアマネジャーはまず

「ベッド上ですべて完結できる生活圏の確保」を考える。

急な事が多いので、福祉用具の業者も「時間のかかる手続き不要の自費レンタルベッド。月1500円で利益は50円だけど、ベッドを入れておけばその後他社に浮気はされないでしょ」の目論見で、機敏に調達してもらえるようになってきた。

背景の明るい広報用のこの写真から何を連想するかは人それぞれだが、ベッド上でおむつ交換をするという事は、交換するまで排泄物と接触しているという事なので、ポータブルトイレに自力、あるいは軽介助で移乗できるという事は、衛生的にも画期的な事なのだが、心理的イメージと、老々介護で同居の介護者も腰痛で力が入らない。等その家ごとに色々事情がある。

少し前にALS(筋萎縮性側索硬化症)の方の奥さんもギックリ腰になってしまい、途方に暮れていた時に導入したのがコチラ

移乗用リフトロボット「ハグ」

施設に入れば月20〜30万円程かかるが、こいつのおかげで月数千円で済んだ。

厚労省が試算しているこのグラフ(2035年に介護職員が68万人不足)が根拠にしているデータベースと計算式がわからないので推測しかできないが、地域包括支援センターがエリアで区切られているように、介護の労働者、特に訪問介護の登録ヘルパー(1件毎のパートさん)は

「自転車で動ける範囲」に潜在している。

高校生になった息子を野球部に入れてあげたいシングルマザーからすれば、1日2000円で空いてる時間の臨時収入になるなら、子供の夢をかなえてあげられるかもしれない。

日本は裏金パーティも含めて金満国家になってしまったが、雇用の創出とはニューディール政策みたいに大掛かりのものばかりではなくて、

その地域、その領域でまかなえるように変化・適応していくものだと思うけどね。

アップルのスマホだって老人が使いやすいものだと一度も思ったことがないし。

円安ドル高で材料の仕入れが高くて値上げしてスタグフレーションで客がこなくなるなら、10年かけても20年かけても、自国内で安定調達できる品目を、地域ごとに開発していくとか、政府も都議会もそういう方向を向いてないでしょう。なんでもカネで片付けようとしているように見える。

千載一遇の株高のチャンスだというのに。

例えば仮に、定年と年金の給付を70歳にして介護職員の延命をはかったとしても、腰を痛めたら終わりなんだから。

「死因はギックリ腰と餓死」なんて状況も笑えないんだけどね。僕は。

酒場DI(フロアスタッフ)の推移

彼ら彼女らだって「介護の生活援助で買物代行で冷蔵庫に入れるだけで1500円」だったら若手も集まると思うけどね。

やれコンプラだ責任だと無駄に敷居を高くするから忌避されるんだよ。

器の問題なのかもしれないが。