榊原郁恵「夏のお嬢さん」1978年
1976年のホリプロスカウトキャラバンでグランプリを受賞した郁恵ちゃんは、花の中3トリオの後輩としてスリップストリーム走法で知名度を上げてミュージカル「ピーターパン」で代表作の花が開いた。
SPACの宮城聰が「幸福なアーティストと不幸なアーティストの違いは、代表作の有無じゃないかな」と言っていたが、つい先日の英国BBCのスマホ版の特集で「モナ・リザが何故レオナルド・ダ・ヴィンチの代表作なのか。それは、ルーブル美術館で一度盗難にあった後に戻ってきて有名になったからだ。盗難にあったのが他のレオナルドの絵だったら、それが代表作になっていただろう」と専門家が滔々と書いていて面白かった。
明治のアイスクリーム
2023年4月22日の朝日新聞の「be」連載の「松本隆 書きかけの... Vol.18」に、松田聖子「赤いスイートピー」の創作秘話が克明に記されている。引用してみよう。
「あの当時、アイドルの曲といえば、ファンたちが合いの手を入れやすいアップテンポな曲が求められていた。松田聖子という不世出の歌手は、そうした古くさい定説をひとつひとつ破っていった。時代の波をかきわける船の舳先に、ぼくたちは一緒に立っていた。テンポを落として、のどに過度な負担がかからない音域にして、それと同時に、単なるアイドルじゃないですよ、意思を持った人間ですよという部分を、さりげなく歌詞にも仕込んでいった。そこに気付いた女の子たちが、この子おもしろいなって聖子を支持してくれるようになった。花の歌を書いてほしいという注文から生まれた「赤いスイートピー」はユーミンに作曲を...」
スケートボードに乗って東京オリンピックで金メダルを取った堀米雄斗
▶榊原郁恵「夏のお嬢さん」からワープ
カルティエ「サントスガルベ」
▶ 前回のブログで書いた自作の演劇「零下273秒」の着想は、ジョン・ケージ「4分33秒」を分解したら273秒で、絶対零度の数字だと気付いた事による。1993年はアナログ・レコードからCDへの淘汰・普及があらかた済んで、レコード針メーカーのナガオカが倒産したり、B面のないCD音源に適応せざるを得ない状況下だった。
算盤
273秒というのは秒針が273回転する事で、じっくり見つめていても数え間違えるのは普通のコト。だから時計に長針と短針を入れて「桁」を作る事で見やすくなった訳だけど、3つの針はムーブメントで同期して動いている。これが当時のぼくの「三位一体」の演劇的解釈だった。舞台装置にメトロノームを置いたのは、重りの位置でテンポが変わるけど、時間そのものの流れは変わらない事の舞台表現だった。役者にも教えなかったけどね。
▶ ソロバンは超アナログな感じがするけどそれは偏見で、デジタルの基本形なんだよね。
▶ 生成AIの克服に有効だと思う。「ご破算で願いましては」の♪チャッ チャー...という小気味いいサウンドで、「破産」という縁起の悪いタブー語を「リセット」の意味で浄化できる。
数珠